まんとるの壷の2004/11/29日の日記に関連して,思ったことを書いてみる. この日記読む前に まんとるの壷 を見ないと意味がわからないと思います.
----------------------------------------------
クローンやヒューマノイド(?)を作って良いかどうかを決めるのは社会風潮ですが,社会風潮を作っているのは強者(アメリカ・EU)です. アメリカなんかでことごとくクローン人間の開発が禁止された理由はいろいろありますが,一番大きいのは教会(キリスト教)からの圧力が大きかったように思います. 日本ではあまり実感はないですが,アメリカやEUといったキリスト教圏ではキリスト教徒の票によって政治が動くといっても過言ではありません.
キリスト教がクローン人間を否定する理由は単純で,「人間は神が創ったものである」という聖書の記述があるからです. 人間を創る(造る)のは神の専売特許なわけです. ここで人間がクローンとやらで人間を造った日には,神の面目丸つぶれです. 教会としては,信者の確保(活動資金の確保)といった点からもこれはいただけない. というわけで,政治に圧力をかけた・・・という話があります.
また,クローンやヒューマノイドは通常の「物」とは性質が余りに違うため慎重になっているという側面もあります. 通常の「物」は使い道を人間が自由に決めることができますが,クローンやヒューマノイドには意識があり,それを自由にすることが困難であるという問題です.
たとえば,「小動物をしつけるのでも大変なのに自分より優れたものをどうやってしつけるよ?」といった議論があるわけです.
ここからは完全に私の意見です. 人間は自分より優れた存在を本能的に恐れます. そうした存在を前にした人間の反応は大きく2つ,排除(支配)・崇拝(依存),のように思います(その他,逃げる等も考えられますが,最終的にはその存在を無視できずに上記の2つに収束すると思います). 人間にとって,クローンやヒューマノイドが脅威になるかどうかは判りませんが,「自分より優れている」ということが,人間にとっては排除の理由になるということを考えると,最終的には技術そのものの破棄(もしくは凍結)が起こるのではないかなぁと思います. とはいえ,禁止されたとしても需要さえあれば生産はされるんでしょうけど(麻薬のように).